2015年11月2日月曜日

「ACOUSTIC ENSEMBLE 第5回 高田漣×Jim O'rourke」@ヤマハ銀座ビルB2Fスタジオ20151101

高田漣がホストをつとめるイベントの第五回目のゲストとしてJim O'rourkeが登場。
第一部はトーク、第二部で二人によるライブが行われた。

第一部のトークではアコースティック・ギターマガジンに掲載された二人の対談記事に近い内容だったが全編日本語によるジムさんのユーモラスな語りに会場は笑いにつつまれていた。
歌を人に聞かれたくないので録音の時も自分の歌を聴かせなかったり今回のライブのリハでも歌ものなのに歌わなかったりシャイな一面も。ジムが長年使用しているマックス・クリメルのアコギの話。日本映画の話題から若松孝二監督作「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のサントラ制作裏話など。ジムさんが日本に住むようになるまでのいきさつ。ギターシンセの話題。6歳の頃のジムさん、映画監督になりたくてクリスマスに8mmカメラが欲しかったけど実際はアコギをプレゼントされてそれで音楽家になっちゃったとマイクに額を押し付けてうなだれる一幕も(笑)

第二部 高田漣とJim O'rourkeのセッション

高田漣のソロ
01.魚つりブルース(高田渡)

Jim O'rourke、高田漣(ラップ・スティール、ペダル・スティール)
02.Bad Timing
03.94 The Long Way
04.Ambulance Blues(Neil Young)
アンコール
05.These Hands

一曲目はVan Dyke Parksも参加したアルバムに収録されている高田渡の名曲「魚つりブルース」を高田漣がボトルネックを使ったカントリーブルースなアレンジの演奏でカバー。素晴らしかった。
Bad Timingは最初の方で高田漣はラップスティール、メランコリックな展開となってからはペダルスティールを演奏。エフェクトを多用したペダルスティールとフレーズをループさせて次々に音を重ねていくジムさんのギターによって後半はノイジーな展開に。そのままの流れで94 The Long Wayへ。とにかくペダルスティールの絡みが素晴らしい。
そしてまさかのNeil Young「On The Beach」収録の名曲の切ないカバーを披露。とても好きな曲なのでこの選曲は涙ものでした。
アンコールではシンプル・ソングズでも共演している楽曲「These Hands」を披露。ライブでこの組み合わせで演奏するのは初めてとのこと。

アコースティック・ギターとペダルスティールのみの演奏はシンプルで素晴らしくこの二人による共演盤なんてのも出たらいいなぁと思ったり。


2015年10月29日木曜日

Jim O'rourke 「two sides to every story-DAY2- 」10.25.Sun LIVE@草月ホール

草月ホールにて行われたジム・オルークの単独ライブ2デイズ「two sides to every story」2日目。二日間SEとして流れていたドローンをShazam で調べてみると普通に出てきてビックリした(笑)「Charlemagne Palestine の Jamaica Heinekens In Brooklyn という曲を発見しました。: https://t.co/7yDfoWGq90」

1set   Bad Timing 全曲 LIVE

ジム・オルーク、石橋英子 (p)、須藤俊明 (b)、波多野敦子(ヴァイオリン)、山本達久 (ds,グロッケン)、高田漣(ペダルスティール)

01.There's Hell In Hello But More In Goodbye

02.94 The Long Way(Darin Grayがコントラバスで参加)
03.Bad Timing
04.Happy Trails

冒頭、ジムがJohn Fahey的な即興演奏を行い(イントロのフレーズをさらにメランコリックしたもの)そこから徐々にメンバーが演奏に入っていく。前回まで山本達久が鉄琴を叩いていたフレーズを石橋英子がピアノで代替。後半の盛り上がりは素晴らしく、ドラムの山本達久の方を向いてギターを弾くジムのフレーズに合わせて全員が音をぶつける展開は相変わらず格好良く、そして毎回その場で即興的に行われるので緊張感とともに爆発する演奏にいきなり痺れた。観客も演奏が終わるなりクライマックスのようなテンションで歓声と拍手!


「94 The Long Way」ではゲストにBad Timingのレコーディングでもベースで参加していたDarin Grayが呼ばれコントラバスを弓弾きして演奏に加わる。ここでは高田漣のペダルスティールが大活躍。アメリカーナがコンセプトのこのアルバムではペダルスティールがとても重要な役割を占めていたのでこの柔らかい音色が演奏に加わるだけで深みが増していた。

「Bad Timing」では後半のグロッケンのフレーズを山本達久が叩く。ここでも高田漣による音響的なスティールの音が素晴らしく後半のノイジーな展開は以前、彼が参加していた細野晴臣のバンドTokyo ShynessでのStellaの演奏を思い出させた。

スティールによるノイズが最大限になった瞬間にジムさんのギターからあの轟音が!6daysでは割愛されていた「Happy Trails」が拝める日がついにくるとは!イントロの轟音が鳴った瞬間は鳥肌ものだった。

そこから音源通りジムが一人ギターを爪弾く。そして後半のマーチングバンド的な盛り上がりの展開にバンドが一丸となって入っていく瞬間はヤバかった。管楽器のフレーズを波多野敦子のヴァイオリンが代替して、ペダルスティールの上昇下降フレーズを石橋英子のキーボードが担っていた。跳ねるリズムの中を高田漣のスティールが駆け抜けていき躍動感溢れる最高の演奏に!アウトロのメランコリックな展開では石橋英子がフルートに持ち替えて(多才な方!)音源でのトロンボーンのフレーズを代替。そのフルートのフレーズとヴァイオリンが重なりこれ以上ない素晴らしいエンディングに会場は拍手喝采。

2nd set  Jazz Trio and Big Band


前方中央に坂田明とちかもらち(Darin Gray(bass),Chris Corsano(drums))、舞台下手にGiovanni di Domenico(piano)、後方にブラス隊、客席を背にブラス隊に向かい合うようにしてジム・オルークが指揮(手やカードによる合図)


坂田明がアルトサックスを吹き始めると同時にちかもらちによるハードな演奏が展開される。その演奏に合わせるようにジムがタイミングやカード、手のカウントによって決められたあるルールにのっとった指揮をする。ジムの指揮に合わせて(ジョン・ゾーンのコブラ的な)ブラス隊が演奏に加わる。坂田明とちかもらちがグイグイとハードなインプロで引っ張っていきその演奏に反応してジムが煽るように指揮してブラス隊が音を加える(ジムがランダムに演奏者を指定し、同時にソロをとらせる場面も)。ジムの合図でブラス隊が同じタイミングで音の塊を鳴らす中、坂田明とちかもらちの演奏もいっそう激しくなる。暴力的な音が静まり一応の第一セットが終わった瞬間に客席から激しい歓声と拍手が起こる中、間髪入れずハードな演奏が再開するも鳴りやまない拍手に会場全体が異常な躁状態に。

Darin Grayは弓をバットのようにしてコントラバスに叩きつけたりホースを中に入れて音を出したり様々なパターンで演奏。Chris Corsanoも嵐のような延々途切れる事の無い打撃音の塊を出し続ける。
坂田明はクラリネットに持ち替えて第二セットへ。激しい演奏で始まるが次第に静かになり坂田明のソロとブラス隊によるドローンが鳴らされる。ユーモラスなフレーズを一人の演奏者が鳴らし、そのフレーズを各ブラス隊がなぞる展開はコブラっぽいけどコブラと異なるのは坂田明とちかもらちは基本的にジムの指揮がみえない位置にいるので自由に即興をし続ける(ドラムのchrisは終わりを見極めるために時折後ろを振り返って指揮をみていた)。
そして、最終的に坂田明が吠えだしてからが本当にヤバい展開となりそれまでの前方の坂田明とちかもらちVS後方のジムとブラス隊だったのが完全に坂田明の叫びに対して全演奏者が渾然一体となって暴力的な音を鳴らしていきそれまでも相当な音量のノイズであったがさらにデカい音の塊になりヤバかった。
演奏が終わったあとは観てる方も痺れっぱなし放心状態。

今回のライブのトリで坂田明とちかもらちの演奏を全面にフィーチャーしたのもジムが日本に初めて来て右も左も分からない状態の時にサポートしたのが坂田明だったことを思えば恩返しのような事だったのかもしれない。そして今回の2days自体、ジムさんが日本に住み始めてからの活動の集大成的なものでもあったのだろうなと感じた。その中ではジムさんに歌ものバンドに再び向き合わせることになったメンバーとの出会いや尊敬する映画監督との出会いと別れ、そしてアメリカ時代の仲間との再会など様々なものが含まれていた。


この二日間の音楽性の広い振れ幅と、そのいずれもが深く感情を揺さぶられる高いクオリティーでなおかつ日本語MCでみせるユーモラスなキャラクター(グッズ化されても違和感ない)も含めてこんな人世界中どこ探しても一人しかいないと実感するしかなかった。












2015年10月28日水曜日

Jim O'rourke 「two sides to every story-DAY1- 」10.24.Sat LIVE@草月ホール

草月ホールにて行われたジム・オルークの単独ライブ2デイズ「two sides to every story」
一日目の目玉は何と言っても2015年屈指の名盤「Simple Songs」全曲ライブ。

1st set String Quartet
6daysの時の弦楽四重奏と発振器を発展させたような内容。客席を背にしたジム・オルークが(Simple Songsのジャケットと同じ見た目)ラップトップで各楽器の音を変調させつつ(あるいは音を発しつつ)モニターに映っているスコアを観てタイミングを判断して手による合図で各楽器演奏者に対して指揮をしていたのは前回と同じ。今回は三楽章に分かれており第一楽章が単音のドローン、第二楽章は4本のフレーズが折り重なる暗く美しい楽曲(「and a 1,2,3,4」をダークにした感じ)、第三楽章はまたドローンに戻るが第一楽章よりも激しい演奏。

2nd set Simple Songs 全曲ライブ

ジム・オルーク(ボーカル、ギター)、石橋英子(キーボード)、須藤俊明(ベース)、山本達久(ドラム)、波多野敦子 (ヴィオラ)、ヴァイオリニスト1名、サポートギタリスト1名

01.Friends With Benefits
02.That Weekend
03.Half Life Crisis
04.Hotel Blue
05.These Hands
06.Last Year
07.End Of The Road
08.All Your Love

アンコール
09.Therefore,I Am(with Darin Gray,Glenn Kotche)

Friends With Benefitsはフジロックやライブビートの時みたいに舞台袖から出てくることはなくメンバーが配置についた状態で頭から普通に演奏。12弦アコースティックギターを用いていたのは今回が初めて?サポートギタリストの存在によって音に厚みが増し俄然格好良い演奏。
間髪入れずのThat Weekend!ここからはライブで初披露の楽曲が続く。
Half Life Crisisはアルバムの中でも好きな楽曲なので生で観る事が出来て嬉しかった。
二本のギター、波多野敦子によるヴィオラ、石橋英子によるブラスを模したキーボードが複雑に絡み合い、緊張感あふれるアンサンブルに痺れた。
Hotel Blueは出だしから涙が滲んだ。ジムさんが日本へ来るきっかけとなった今は亡き若松孝二監督との出会いの中で映画「海燕ホテル・ブルー」の主題歌が作られ、それを改作したものが今のアルバムに収録されている。元のバージョンには無かった感情をさらけ出すストレートな大サビにはそうせざるを得ない切実さが感じられて聴くと毎回熱くなる。「Simple Songs」ライナーの最終ページには「This one is for K.W.」とあり監督が亡くなった10月にライブが行われたのも何かの縁を感じてしまう。
Last Yearもイントロが鳴り響くと感慨深い気持ちになった。3年前、ジム・オルークwith芸害としてバンド(今まで続いているメンバー)を率いてのライブで「誰も知らない曲!」といって披露されたのがこの曲のインストバージョンだった。ライブの度に披露されるのでお馴染みの曲といった感じだったのだがこの流れだとなんだか泣ける。
All Your Loveは最高のイントロを持つ楽曲。後半、演奏がどんどん盛り上がり、二本の弦によるフレーズ、エフェクターのつまみを上げたジムさんの爆音ギターが最高に格好良かった。

この日はMCで友達を呼びますと言ってアメリカ時代のジム・オルークバンドのリズム隊である旧友Darin GrayとGlenn Kotcheを呼んだのが大きなサプライズだった。
レコーディング時のメンバーでもあるGlenn Kotcheがドラム、Darin Grayがベースで演奏する「Therefore,I Am」には感動するしかなかった。

物販ではスーパーササダンゴマシンのパワポ動画で紹介してたジム・オルークの音楽を聴かせた「音楽振動熟成法」の日本酒がジムのイラスト入りのお猪口付きで販売しており怪しいと思いながらも結局買ってしまうことに(笑)
さらにフジオプロによるジム・オルークのイラストが描かれた手ぬぐいまで勢いで買ってしまいまんまとのせられてしまった。


2000年に行われた来日公演(今となっては不思議な響き)、青山CAYでの演奏。みんな若い!今の髭生やしたジムさんに慣れちゃったけどそういえば昔はこうだった!







2015年10月27日火曜日

Jim O'rourke@NHK-FM ライブビート公開収録20150804

NHK-FMの音楽番組ライブビート、渋谷NHK放送センターふれあいホールでの公開収録。
番組進行: 古閑 裕 / 演奏: ジム・オルーク
本放送 8月30日(日)22:30~23:30

演奏はフジロックでのガマン・ジルベルトと同じ面子。

01.Friends With Benefits
02.Therefor,I Am
03.Ghostship In A Storm

04.These Hands(放送ではカット)
05.All Down Hill From Here
06.There's hell in hello but more in goodbye
07.Hotel Blue

アンコール
08.Good Times(放送ではカット)

フジロックの時と同じくステージ上に誰もいない状態でFriends With Benefitsのギターリフが鳴り響き、舞台袖からギターを弾きながらジムさん登場。それにあわせてメンバーも続々位置につく。
セットリストはフジロックとほぼ同じだが収録のためなのか途中に電子音によるドローンのパートがあったり98年~2000年ごろのライブ演奏に近い演出がみられた。
Therefor,I Amの間奏に美しいドローンを挿入したりGhostship In A StormのアウトロにEurekaの後半を思わせる電子音にメランコリックなギターフレーズを絡めていて涙が滲んでしまった(このままEurekaへと繋がっていくのではないかと淡い期待もしてしまった)
しかし、そのままの流れで新譜収録の名曲These Handsへ。These HandsのアウトロからAll Down Hill From Hereの流れは鳥肌立った。
There's hell in hello but more in goodbyeは後半にかけて演奏がどんどん加熱していってジムのフレーズに合わせてメンバー全員が同じタイミングで激しく音をぶつけるとこは毎度格好良すぎます。
Hotel Blueは映画のエンディングのよう、ラスト近くのジムが激しくシャウトするサビの展開は何度聞いても感動的。


2015年7月28日火曜日

Jim O'rourkeとGaman Gilberto@Fuji Rock Festival2015

01.Friends With Benefits
02.Therefor,I Am
03.Ghostship In A Storm
04.All Down Hill From Here
05.There's hell in hello but more in goodbye
06.Hotel Blue

Friends With Benefitsのイントロのギターリフを弾きながら登場するジム・オルーク。
ロックナンバーAll Down Hill From Hereを初めて聴く事が出来たのがかなり嬉しかった。
激しいノイズからのThere's hell~も素晴らしかった。
ロックフェスという事もありかなり激しめの演奏でジムさんも曲の途中で客を煽っていた。
日本語のMCも板についてきて「ガマン・ジルベルトさんは来日したがビザの関係で入国できなかった」とか機材を提供してくれたフェンダー社への感謝とか「Tシャツなしのドラマーの歴史がある」とTシャツを着ているドラマーの山本達久に対してロックバンドのドラマーは上裸であるべきみたいにいじってたのが面白かった。
そもそも午前中から野外で青空の下、爽やかにガマンジルベルト連呼してるのもおかしいんだけどね(笑)
あとSimple Songs版の「Hotel Blue」が意外なほど締めに合う曲になってるなと感じた。
ここにきてバンドの一体感が物凄いことになっていてフジロック出演者を観た中では一番ロックバンドしていたと感じた。
この日は次に観たトッド・ラングレンがEDM化してタンクトップでダンサーと踊りまくってたのが衝撃的すぎて全部もってかれてしまった(笑)

2015年7月7日火曜日

長佐棒茄子「Nagasa Bonus Sings For You」

劇団SWANNYが2013年10月に新宿紀伊国屋ホールにて上演したR.W.ファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を世田谷パブリックシアターにて再演。
台本に指定された楽曲を石橋英子 with ぎりぎり達(ジム・オルーク/須藤俊明/山本達久/坂口光央)が舞台上で劇に合わせて生演奏を披露した。
劇中にオペラを歌唱するシーンがありその際は白いカツラを被ったイタリア人オペラ歌手「長佐棒茄子」がその歌声を披露した。

上演後、長佐棒茄子によるポール・マッカートニー「My Love」が会場中に響きわたり笑った。

DOMMUNEの宣伝番組で長佐棒茄子の意味が下ネタ(オペラ歌手はアソコがデカそう→長さボーナス)であることが判明(笑)

会場にて長佐棒茄子が歌うヒットソング集「Nagasa Bonus Sings For You」を入手。
ベタだけど本人も結構好きだと思われる曲が7曲も収録されてる。
オペラ歌唱で気持ちよさそうに歌う長佐棒茄子とガマン・ジルベルトの面子+カフカによる演奏だけあってやたらちゃんとしてる。エルトン・ジョンのグッバイ・イエロー・ブリックロードのユニゾンギターなんかは「Simple Songs」と無関係じゃないはず(笑)
10ccのI'm Not In Loveのオケの再現度もやたら高いけどオペラな歌が入ると笑っちゃう。
ラストのポールのMy Loveは笑って泣ける感動作。本気なギターソロがまた泣ける。

「Nagasa Bonus Sings For You」
1.Here Comes the Sun(The Beatles)
2.I'm Not In Love(10cc)
3.Goodbye Yellow Brick Road(Elton John)
4.Alone Again(Gilbert o'sullivan)
5.Keep Me Hangin' On(Vanille Fudge)
6.Bridge Over Troubled Water(Simon and Garfunkel)
7.My Love(Paul Mccartney)


ドキュメンタリー映画『ブラインド・ジョー・デスを探して – ジョン・フェイヒーの物語』&LIVE@渋谷UPLINK20150615

6月15日(月) 19:00開場/19:30開演(22:00頃終演予定)
LIVE(出演:ジム・オルーク)+上映+トーク(出演:ジェイムス・カリンガム監督

ジム・オルーク(acoustic guitar)

intro~ジョン・フェイヒー漫談~94 The Long Way

演奏を始めて少し経ってから94 The Long Wayのリフを弾きつつジョン・フェイヒーとのツアーでの思いでを語りはじめるジムさん(もちろん日本語で)
うる覚えの内容
「自分が今弾いてるアコギはツアーの時にジョンさんに貸したものだからジョンさんの汗が入ってると思う」
ジョン・フェイヒーとホテルの一室でインタビューを受ける事になったときのエピソードも披露。
インタビューの前に気を効かせようとしたジョン・フェイヒーがホテルのルームサービスでみんなに特に注文を聞くことなくコーラやらハンバーガーやらジャンクな食べ物をたくさん勝手に注文した事をジョン・フェイヒーのモノマネで披露(眠たそうなモゴモゴした喋り方)

一通り漫談が終わると演奏に戻りそこからはさっきまでの会場を笑に包んでいたユーモラスな雰囲気と打って変わって美しくも緊張感ある演奏が繰り広げられた。

アコースティックギターでの演奏はとにかく素晴らしかった。

映画もまた面白くジョン・フェイヒーの生涯がユーモアと毒を織り交ぜつつ語られていく。カントリーブルースのコレクターとしての一面。元祖インディーレーベルのオーナーとしての一面。ノイズ以降の若者に発見されてからのクールな存在として持ち上げられる晩年。何故彼だけがあのような美しい響きをもった奏法を生み出せたのか。彼のパラノイアックな作品の背景には父親による幼少期の性的虐待も関係しているという衝撃的な事実も明かされる。


Dry Bones in the Valley(John Fahey)


2015年7月6日月曜日

Jim O'rourke タワーレコード新宿店インストア20150530

<ジム・オルーク アルバム&書籍発売記念・インストアイベント>

日時:5/30(土) 21:00〜
場所:タワーレコード新宿店7Fイベントスペース 
内容:スペシャルLIVE & 特典引換え会

演奏メンバー
ジム・オルーク(Vo,Guitar)
山本達久(Drums)

1.Halfway To A Threeway
2.There's Hell in Hello, But More in Goodbye
3.Therefore, I Am
4.Prelude to 110 or 220,Women Of The World

この日はライブ前にかなり大きな地震がありそれによって開始時間も遅れた。
登場するなり「この揺れは私のせいですスイマセン。。。」と冗談を言って会場を笑わすジムさん。
ドラムとギターのみのシンプルな編成だったためかえって歌が前に出てきて良かった。
二人による丁々発止なやり取りをみるとジム・オルーク完全読本のインタビューでも発言していた普段のスタジオのノリもこんな感じでやってんだろうなぁと想像。
披露した楽曲も普段のライブでも中心となるような楽曲だったのでかなり贅沢なインストアだった。
Women Of The Worldでのジムさんの激しいシャウトも聴けて大満足。
最後に山本達久さんをガマン・ジルベルトと紹介していた笑

2015年4月3日金曜日

Simple Songs???

ジム・オルークの日本での活動告知用アカウント「ジム オルーク ライブ」に一瞬だけリンクが張ってあった動画「Simple Songs」
どうやら芸害から始まった日本での歌を中心としたバンド活動の集大成的なアルバムがでるのかもしれない。
ジムO6daysやマエバリ・バレンタインの時にもアルバム制作をしていると語っていたけどついに!期待大!



2015年3月3日火曜日

Jim O'rourke BBC Radio1 PEEL SESSION 19990101

John Peelセッションに出演時のセットリスト

1.Halfway To A Threeway
2.Little Island Walking
3.Prelude To 110 Or 220/Women Of The World
http://www.bbc.co.uk/radio1/johnpeel/sessions/1990s/1999/Jan01jimorourke/

クレジットにはhis own studioとあるのでBBCのスタジオではなくスチームルームで事前に録音したものを放送したのかもしれない。
音源を聴く限り多重録音されていてアルバムで使用したトラックも流用しているような感じがする。
Halfway To A Threewayに関してはテンポが速く全体的にピッチが高いので元のトラックのスピードを速めた音源を使っているように聴こえる。テンポが速いのでカントリーソングみたいな雰囲気。
Little Island Walkingは「eureka」の日本版ボーナストラックに使用されたものとは別テイクで後半にwomen of the worldの最後にでてくるような逆再生のアコースティックギターと電子音が被さってくる。
Prelude To 110 Or 220/Women Of The Worldも冒頭から電子音のインプロが続きPrelude~へ。Prelude~からは歌も含めてアルバムと同じトラックを使ってるように聴こえる(ストリングスパートなどはシンセサイザーの音に置き換わっていたり微妙に異なる。アコースティックギターだけその場で弾いている?)。
Women Of The Worldの後半から電子音が被さっていき「Eureka」後半のシンセサイザーのフレーズが入り、さらに別のフレーズのループでフェイドアウトしていく。

2015年2月19日木曜日

「新宿で会いましょう」戸川純 ジム・オルークとジェファーソン台車 @新宿LOFT(20150218)

ジム・オルークとジェファーソン台車(石橋英子、須藤俊明、山本達久、波多野敦子)

01.94 The Long Way(intro)~Something In The Air(Thunderclap Newman)~94 The Long Way
02.Ghost Ship in a Storm
03.Movie on the way down
04.Life Goes Off
05.Therefore, I Am

過去の来日時にも披露していたサンダークラップ・ニューマンのカバーを94 The Longwayの中に挟み込む形で演奏。
Ghost Ship In a Stormは歌いだした途端にボーカルにリバーブがかかっていないことに気が付き「自分の声スキジャナイ」と言ってリバーブをかけてもらってやり直し。
Movie on the way downではかなり長いギターソロを熱く披露。マエケンとのソープランダーズでの活動も影響してる?SG弾き倒してるからかだんだんジャック・ブラックにみえてくる。
「ヤリタクナイ」とメンバーに愚痴りながらのLife Goes Off、最後に音源と同じドラムのノイズがレコーダーから流され最高潮に達した瞬間にTherefore,I amのギターリフへ。何度観てもこの流れは痺れる。

この日トリの戸川純も最高に格好良かった。戸川はMCでジムとのエピソードを披露。NYへ旅行に行こうとした際に、その当時サーズが流行っていた関係で入国時のチェックが厳しくに空港に足止めされてしまった。たまたま以前雑誌で対談した時(たぶんFADER誌)に貰ったジム・オルークの連絡先を持っていたため空港の職員が連絡してくれてさらに他の連絡先であるジョン・ゾーンも呼んだため、空港でジョン・ゾーンとジム・オルークと通訳の女性に出迎えられる形になった。泊るところも無いのでジムの家に一泊した際(雑誌対談だけの交流だったため実際に親しかったジョン・ゾーンの家の二階に長期間泊まった)、ジムの家には友沢ミミヨグッズがたくさんあり、友沢ミミヨの人形をなぜか持たせてくれた。そして、寝起きの戸川にジムが「何か飲む?」と声をかけたことが日本でも男が言いそうなことで外国でも変わらないんだなとおもしろく思ったみたい。

また、ブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」のカバーを披露する時にもジムが過去にブリジット・フォンテーヌのアルバムに関わった(2002年のKekeland)ことに触れてジムに違うと思われるかもしれないと自信なさげにMCしていたけどそのあとのカバーも素晴らしかった。

2015年1月7日水曜日

Steve Waring et le Marvelous Band - La nuit dort le jour


Steve WaringとLe Marvelous Bandとの共演盤。
Steve Waringのとぼけた歌声に対して緊張感あるバンドの演奏が絡み格好良い。
楽曲自体はSteve Waringが得意とする童謡だったり民謡、フォークだけれどバックを務めるのがLouis SclavisをはじめとしたARFIの中心メンバーが所属するフリージャズグループだけあってユーモアとアイディア溢れるバンドアンサンブル、即興パートも入り込み素晴らしい。
複雑なコーラスワークやセリフの挿入はBeach BoysのSmileを思わせる。おじいさんの古時計のオルゴール風カバーやルイス・キャロルの詩を楽曲にした(声のみによるチャント)ものなども収録。
新宿ユニオンで購入。

2015年1月4日日曜日

Beatrice Arnac ‎– Le Bruit Et Le Bruit / Avant La Vie

フリージャズ的な演奏に女性の歌がのっかるシャンソン。格好いいです。これもHMV渋谷で購入。

Steve Waring avec Roger Mason - La Baleine Bleue

フランスを拠点に活動しているアメリカ人SSW、Steve Waringの1973年の作品。
歌のお兄さんに合わせて子供達が元気よく合唱する感じは教育テレビの子供番組のよう。
楽曲は童謡やフォークミュージックがメイン。しかし、フリージャズ周辺で活動するミュージシャンだけあって演奏自体はトイポップ的だったりジャンク品をガチャガチャやったりアヴァンで格好良い。
HMV渋谷で購入。

2015年1月3日土曜日

Steve Waring ‎– Le Blues De Monsieur Robert


フランスのフリージャズ集団ARFIやWorkshop De Lyonとも交流のあるアメリカ人SSWのSteve Waringが1977年にChant du Monde Franceからリリースしたアルバム。
少しユーモラスでアヴァンなカントリーブルース集、他の童謡集と同じくハズレ無し。
B面最後の曲がミニマルなギターのアルペジオとコーラスが絡んで美しい。
HMV渋谷で購入。