2015年10月28日水曜日

Jim O'rourke 「two sides to every story-DAY1- 」10.24.Sat LIVE@草月ホール

草月ホールにて行われたジム・オルークの単独ライブ2デイズ「two sides to every story」
一日目の目玉は何と言っても2015年屈指の名盤「Simple Songs」全曲ライブ。

1st set String Quartet
6daysの時の弦楽四重奏と発振器を発展させたような内容。客席を背にしたジム・オルークが(Simple Songsのジャケットと同じ見た目)ラップトップで各楽器の音を変調させつつ(あるいは音を発しつつ)モニターに映っているスコアを観てタイミングを判断して手による合図で各楽器演奏者に対して指揮をしていたのは前回と同じ。今回は三楽章に分かれており第一楽章が単音のドローン、第二楽章は4本のフレーズが折り重なる暗く美しい楽曲(「and a 1,2,3,4」をダークにした感じ)、第三楽章はまたドローンに戻るが第一楽章よりも激しい演奏。

2nd set Simple Songs 全曲ライブ

ジム・オルーク(ボーカル、ギター)、石橋英子(キーボード)、須藤俊明(ベース)、山本達久(ドラム)、波多野敦子 (ヴィオラ)、ヴァイオリニスト1名、サポートギタリスト1名

01.Friends With Benefits
02.That Weekend
03.Half Life Crisis
04.Hotel Blue
05.These Hands
06.Last Year
07.End Of The Road
08.All Your Love

アンコール
09.Therefore,I Am(with Darin Gray,Glenn Kotche)

Friends With Benefitsはフジロックやライブビートの時みたいに舞台袖から出てくることはなくメンバーが配置についた状態で頭から普通に演奏。12弦アコースティックギターを用いていたのは今回が初めて?サポートギタリストの存在によって音に厚みが増し俄然格好良い演奏。
間髪入れずのThat Weekend!ここからはライブで初披露の楽曲が続く。
Half Life Crisisはアルバムの中でも好きな楽曲なので生で観る事が出来て嬉しかった。
二本のギター、波多野敦子によるヴィオラ、石橋英子によるブラスを模したキーボードが複雑に絡み合い、緊張感あふれるアンサンブルに痺れた。
Hotel Blueは出だしから涙が滲んだ。ジムさんが日本へ来るきっかけとなった今は亡き若松孝二監督との出会いの中で映画「海燕ホテル・ブルー」の主題歌が作られ、それを改作したものが今のアルバムに収録されている。元のバージョンには無かった感情をさらけ出すストレートな大サビにはそうせざるを得ない切実さが感じられて聴くと毎回熱くなる。「Simple Songs」ライナーの最終ページには「This one is for K.W.」とあり監督が亡くなった10月にライブが行われたのも何かの縁を感じてしまう。
Last Yearもイントロが鳴り響くと感慨深い気持ちになった。3年前、ジム・オルークwith芸害としてバンド(今まで続いているメンバー)を率いてのライブで「誰も知らない曲!」といって披露されたのがこの曲のインストバージョンだった。ライブの度に披露されるのでお馴染みの曲といった感じだったのだがこの流れだとなんだか泣ける。
All Your Loveは最高のイントロを持つ楽曲。後半、演奏がどんどん盛り上がり、二本の弦によるフレーズ、エフェクターのつまみを上げたジムさんの爆音ギターが最高に格好良かった。

この日はMCで友達を呼びますと言ってアメリカ時代のジム・オルークバンドのリズム隊である旧友Darin GrayとGlenn Kotcheを呼んだのが大きなサプライズだった。
レコーディング時のメンバーでもあるGlenn Kotcheがドラム、Darin Grayがベースで演奏する「Therefore,I Am」には感動するしかなかった。

物販ではスーパーササダンゴマシンのパワポ動画で紹介してたジム・オルークの音楽を聴かせた「音楽振動熟成法」の日本酒がジムのイラスト入りのお猪口付きで販売しており怪しいと思いながらも結局買ってしまうことに(笑)
さらにフジオプロによるジム・オルークのイラストが描かれた手ぬぐいまで勢いで買ってしまいまんまとのせられてしまった。


2000年に行われた来日公演(今となっては不思議な響き)、青山CAYでの演奏。みんな若い!今の髭生やしたジムさんに慣れちゃったけどそういえば昔はこうだった!







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