2013年6月28日金曜日

ジムO 六デイズ@六本木スーパーデラックス (2013/6/17 ~22)Day 6

Day 6【未来に向けて その2】ジム・オルーク(ボーカル、ギター)、石橋英子(キーボード)、須藤俊明(ベース)、山本達久(ドラム)ゲスト:高田漣(ペダルティール)

01.インプロ~halfway to a threeway
02. Ghostship In a Storm
03.Therefore,I Am
04.Good Times(弾き語りに高田漣がペダルスティールで参加)
05.Answers To Your Questions
06.Stupid As The Sun
07. New Song→Last Year
08. Life Gose Off
09.Movie On The Way Down
10.Prelude to 110 or 220,Women Of The World
(アンコール)

11. The Workplace

ジム・オルークのみによるディレイを駆使したインプロからメンバーが続々と入ってきて一曲目を演奏。「halfway to a threeway」はライブではお馴染みのニール・ヤング風のアレンジ。
しかし、今回は高田漣もペダルスティールで参加しているためアンビエントな雰囲気がでていて素晴らしかった。ドラムが入ってからのスティールのソロも格好良かった。ジムの熱い泣きのチョーキング!アメリカンロック度が増していて痺れる。本人は完全にサービスでやっているのだろうけど弾きだすと止まらない感じが伝わってきてやっぱり良いんだよなぁ。

「Ghostship In a Storm」去年中止になったEureka再現ライブの流れもありますが「eureka」の楽曲を生で聴くことができる日がくるとは。あのイントロからジムが歌い始めただけでちょっと目頭熱くなった。後半、静かなパートからバンドが入ってくる瞬間は鳥肌が立った。ラストのピアノのリフレインから徐々に「Therefore,I Am」のギターリフがフェイドインしていき熱すぎる展開へ!
高田漣を残し、メンバーが引っ込む。「Good Times」の弾き語りに美しいペダルスティールが絡む。
演奏後、今年Loose Furの三枚目のNew Albumを録音したと語りたぶん来年には出るという驚きの情報も。Wilco来日時に東京で録音したのかな?これはかなり楽しみ。そして、自分のソロアルバムも今年中には出すという嬉しい情報も。まぁ半信半疑ですが笑

そのままLoose Furの「Answers To Your Questions」をソロでの弾き語りで披露。メンバーが戻って「Stupid As The Sun」へ。出だしからハードロックなハイトーンヴォイスで激しく歌出だしてちょっと笑ってしまった。ジャック・ブラックよろしく完全にロックの先生キャラになっていた。山本達久の正確かつテンションの高いドラムが素晴らしい。

昨年の芸害の頃からレパートリーとなっている新曲(ロイ・ハーパーとプレゼンス信者が生み出した素晴らしいリフのロックインストゥルメンタル)を披露。変拍子の上でソロを弾きまくるジム・オルーク!

 「Life Gose Off」まで披露!この楽曲も最近のライブでは披露していなかったがメンバーのリクエストで演奏。後半のノイズパートも完全再現。そのままヴェルヴェッツ風のリフが奏でられて新曲かと思いきやなんと「Movie On The Way Down」!ペダルも入りシャウト気味の熱のこもったジムの歌唱もあり完全に70年代のアメリカンロックになっちゃってました笑

その流れであのフィンガーピッキングのフレーズが奏でられ「Prelude to 110 or 220,Women Of The World」へ!!!バンドが入った瞬間の高揚感たるや!そのまま歌に入らないで呻くように「Women of the world」と歌うジム。やがてどんどんと音量が上がっていきディストーションギターに激しくシャウトするジム、客席から雄叫びが!原曲の雰囲気は消え去り完全なアメリカンロックナンバーに変貌。会場も大盛り上がり。

アンコールでは「The Workplace」を披露。こちらはデラファンタジア以来なのかな?
静かな展開から後半はやはり激しく歌いギターを弾き倒すジム。素晴らしい演奏だった。

技術の高い演奏陣に加えてゲストの高田漣のペダルスティールが楽曲をさらに豊かにしていて本当に良いライブだった。また、今までのライブで披露してなかった楽曲を生で観ることができて90年代子供だった身としてはひたすら感動だった。ルース・ファーやオルークの歌ものソロなど今後の活動も非常に楽しみになってくる。

Eurekaはやっぱりやらなかった(ちょっとだけ期待していたけど)。死ぬまでに一度は観てみたいもんです。やっぱり。観るなら今回の6Days参加メンバー大集合で演奏してほしいなぁ。
つい最近、大友良英がライブで久しぶりにカバーしたという噂がありジム・オルーク6daysに触発されたのかな?

2009年の難波ベアーズでのソロライブの時の「Eureka」後半の部分だけでも涙出てくる


今回の6daysのMVPは連日連夜全力で叩きっぱなしだった山本達久さんだろうなぁ。本当に変幻自在で凄かった!


ジムO 六デイズ@六本木スーパーデラックス (2013/6/17 ~22)Day 5

Day 5【未来に向けて その1】

1st set

Jazz Trio
ジム・オルーク(ギター)
千葉広樹(ウッドベース、エレクトロニクス)
山本達久(ドラム,ジャンクパーカッション)

ザッパのアンクル・ミートで登場(笑)

一曲目はGatewayの「Back-Woods Song」をカバー。
ここまで熱いソロを弾きまくるジム・オルークの姿を拝めるとは。
演奏後、会場を温めるためカバーしたと言っていた。
なんでもジム・オルークのお気に入りの曲とのこと。
,
トリオのオリジナル曲
*1ウッドベースにミニムーグ?らしい機材がつないであり弾くたび柔らかい電子音が散らばる。そこからクリーントーンのギターによるメランコリックな美しい主題(トータスやSea&Cakeの楽曲を少し彷彿とさせるメロディー)が奏でられバンドの演奏が始まる。完全にジャズ系のフレーズを弾き徐々に歪みが加えられ激しくなる。時にロックやハードコア的なフレーズを叩きつける山本達久のドラムも素晴らしい。

*2ギターを重ねて生み出された美しいドローンとゆったりと寄り添うようなドラム、その上にギターソロが絡む。やがて激しい轟音へと。そして、弾きまくるジム・オルーク。

他にポストロック、ジャズロック寄りの楽曲を1曲披露。

こういったマーク・リーボウ等のアヴァンジャズな演奏を聴くことができるとは思わなかった。予想以上に素晴らしかったのでこのトリオでの音源化が待ち遠しい。

2nd set


カフカ鼾 

ジム・オルーク(ギター、モジュラーシンセ)石橋英子(キーボード)、山本達久(ドラム)

ギターとモジュラーシンセによって生み出されたドローンと石橋英子のミニマルなピアノ、そしてジャーマンプログなフレーズを叩く山本達久。Ash Ra Tempelを彷彿とさせるヘヴィー・サイケな演奏。ラストにかけて激しくなるドラムとギターの轟音が凄まじかった。






2013年6月27日木曜日

ジムO 六デイズ@六本木スーパーデラックス (2013/6/17 ~22)Day 4

Day 4【Big Band & Tapes】 

ジム・オルーク(laptop)  坂田明(クラリネット)  梅津和時(サックス)  類家心平(トランペット)  高岡大祐(チューバ)  高橋保行(トロンボーン)  勝井祐二(エレクトリック・バイオリン)  トッド・ニコルソン(ウッドベース)  山本達久(ドラム)


ジム・オルークが客席側の真ん中でラップトップに鎮座し、扇形にメンバーが囲むような形で演奏。ジムのPCから流すピアノのインプロや電子音楽、ドローンなどをトリガーに演奏者たちがそれぞれ反応する。


1st set
*1
ジムがラップトップから流すピアノの抽象的な即興に対して各人が絡んでいく。ジムの音に反応して持続音を吹く管楽器、やがて山本達久のドラムが激しくなり混沌へ。
*2
何かの儀式のような女性の声に深いリバーヴがかかるアンビエントな音源に対して管が静かに絡んでいく。徐々に激しい応酬となる。ドラムが入りさらに激しい混沌状態となる。特に坂田明と梅津和時によるソロの応酬が素晴らしくスリリング。途中、勝井祐二によるディレイがかったエレクトリック・バイオリンも絡みプログレ・ニューエイジ感がでてくる。

2nd set
一発目が完全なフリージャズで時にユーモラスに反応する坂田明と梅津和時の丁々発止が物凄かった。それぞれが特殊奏法を行う箇所があり、高橋保行によるスネアをトロンボーンに被せて吹く技に驚いた。また高岡大祐によるヘリコプターやグリッチ音のような音をチューバから出していてまたまた驚いた。そして演奏が混沌のさらに上をいく混沌状態になった瞬間が鳥肌ものだった。

2発目はジムのラップトップから落ち着いたアンビエントよりの音楽を流しそこにやはり即興的に絡んでいく。

2013年6月26日水曜日

ジムO 六デイズ@六本木スーパーデラックス (2013/6/17 ~22)Day 3

Day 3【Happy Bad Timing Days】 

1st set Bad Timing

ジム・オルーク、石橋英子 (p)、須藤俊明 (b)、山本達久 (ds)

「Bad Timing 」収録曲をジム・オルークバンドのメンバーと共に演奏。冒頭の「There's Hell In Hello But More In Goodbye」ではジム・オルーク一人でアコギのインプロ(ギターでドローンを作りそのうえでJohn Fahey風即興)を演奏した後、あのイントロへ徐々にメンバーが集まりバンドの演奏へ移る。山本達久がグレン・コッチェも使っているドラムセット脇に設置した残響音の持続する特殊な鉄琴を鳴らす。ライブでも定番となりつつあるディストーションギターによる激しい展開となる。「Bad Timing」はほぼジム・オルークのギターソロに近い形。後半に山本達久による鉄琴、須藤俊明によるアコーディオン、石橋英子によるオルガン風の音色のキーボードが絡んでいきやがて激しい混沌へと。「94 The Long Way」はバンド編成もあり、後半エレキに持ち替えて熱いギターソロを弾きたおすロックな展開となって格好良かった。そしてそのままの流れでなんとGaster Del SolでもカバーしていたJohn Faheyの「Dry Bones In The Valley」を演奏!こちらも後半バンドが入り三連のリズムの上で熱くギターソロを弾く展開となった。これは鳥肌ものだった。

再現難しそうだけど「Happy Trails」はやっぱり聴いてみたかったなぁ。

2nd set Happy Days

ジム・オルーク (Gt)

ジム・オルークのギターソロから音源通り徐々にハーディ・ガーディのドローンが被さっていき次第に大音量になっていく。

ハーディ・ガーディの音源自体はジムの傍らに置いていたポータブルレコーダーから出していた。ジムは地響きのようなハーディ・ガーディの爆音の中、目を瞑りときに口を動かし何かを呟きながら体を揺らして解放弦の二音をひたすら鳴らし続けていたのが印象的だった。やがてハーディ・ガーディの音が静まり、弾き続けていた解放弦の二音が聴き取れるようになった瞬間に弦が切れるハプニングが生じたが即座に別の弦を用いて演奏を行っていたところはさすがだった。およそ50分ほどの演奏時間だったように思う。この作品こそでかいアンプでハーディ・ガーディの爆音に身を包まれて意識を沈み込ませて聴いてこそ初めて意味があると感じた。 

完全にオタクな風貌の若き日のジム

Gastr del Sol - Dry Bones in the Valley (1995/09/23)


  

2013年6月25日火曜日

ジムO 六デイズ@六本木スーパーデラックス (2013/6/17 ~22)Day 1,Day2

Day 1【カセットテープ時代】


ジム・オルークソロ


・1st set (80年代テーブルトップギター)
テーブルトップギターによる演奏。Fader誌で発言してたけど彼はルームメイトであるケヴィン・ドラムの演奏を観てそのスタイルから足を洗ったそう。リモコンをピックアップに近づけてパルス音を拾ってサンプリングしたり、ギターの弦を長いバネを用いて繊細に擦ったり、ドライバーの持ち手をくるくる回しながら弦にあてたり、バイオリンの弓で弾いたり、取り付けてあった輪ゴムの伸縮する音を拾ったり、観ているだけで面白い。しかもそれらの音を幾重にも折り重ねて混沌としたノイズから突如美しいドローンを即興的に生み出していく。ジムの発する音にひたすら浸った。

・2nd set (エレクトロニクス)


真っ暗な会場の中、キャンピングテントと中で演奏するジムの影だけが浮かび上がる。おそらくテープコラージュ作品を基に演奏。水の音や足音、フィールドレコーディングの音などの具体音を織り交ぜたノイズの塊からやがて美しい音色へと移り変わる瞬間がたまらなかった。演奏が終わるまでジムはずっとテントの中にいた。

Day 2【大学時代の作曲】

弦楽四重奏&発振器

メンバー:ジム・オルーク、波多野敦子 (バイオリン)、千葉広樹 (バイオリン)、手島絵里子(ヴィオラ)、関口将史(チェロ)
エスター叔母
メンバー:ジム・オルーク、石橋英子、U-zhaan、山本達久、アンドモア
水のない海
メンバー:ジム・オルーク、U-zhaan、山本達久、アンドモア

1st set みずのないうみ

2005年に再発された80年代後半~90年代初頭に作られたドローン作品「みずのないうみ」を演奏。ジムはPA卓に設置したデスクトップに向かっていたためマスター音源?をそのまま流していたように思われる。ステージ後方の壁に美しい夕暮れ時の空港に着陸しようとする飛行機のループ映像が映し出される。この映像は時間経過とともに淡く緑がかったり暗くなったりと色彩がゆるやかに移り変わる。演奏中はメンバー達が会場中を歩き回って鐘や笛、ギロなどをランダムに鳴らしていた。

2nd set エスター叔母

会場の後方からプロジェクターでオルークがグラフィックスコアを操作。壁に映し出された五線譜と変化するスコア(ドット絵を三角に隠したりずらしたり拡大縮小をしたり)をメンバーが読み取り演奏。時間経過とともにジムさんがプロジェクターをステージまで前進させ、最後にスコアが黒人の顔(エスター叔母?)だとわかる。ユザーン(タブラ)、石橋英子(キーボード)、波多野敦子(バイオリン)は客席の中間の両端あたりで演奏。山本達久(ドラム)と須藤俊明(パーカションetc)が前方で演奏。演奏後、17歳?の時の作品だからゆるしてください的なことをジムさんが言っていた笑

3rd set 弦楽四重奏&発振器

Tony Conradを思わせるドローン作品。第一楽章?と第二楽章があり一時間ほどだった。発振器ではなくPCから発せられる電子音と弦楽四重奏によるドローン。ジム・オルークはPCを見てタイミングを図り、手のカウントをメンバーが認識したところで振りおろしそれぞれの音を変化させていた。第二楽章後半、ジムが手で激しく煽り演奏も熱を帯びて最大限の音量となった瞬間が物凄く気持ちよかった。間の休憩ではジムがメンバーに水を飲むよう促し自らがコップを持ってメンバーたちに回し飲みさせて労わる一幕も。しかし、演奏者は大変そうだったなぁ。

1日目2日目とDJ山本達久の選曲が神がかっていた。アルベール・マルクール、はちみつぱい、ジュディ―・シル、ポールにZeppとジムさんトリビュートのような感じで楽しい。